まるわかりインダストリー4.0(日経ビジネス特集) | 一般社団法人 中部品質管理協会

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トヨタが下請けに!あなたの仕事が機械に奪われる!ニッポンの現場が危ない!「考える」工場とは?ドイツが国を挙げて取り組むワケ・・・といった表紙のショッキングな言葉が目にとまり、一読した。

インダストリー4.0とは、18~19世紀、イギリスで始まった蒸気機関、自動織機の発明による第1次産業革命、20世紀初頭のベルトコンベヤーによる自動車の大量生産方式の第2次産業革命、そして、1970年代のエレクトロニクス、ロボット技術による第3次産業革命に次ぐ、第4次産業革命である。

インダストリー4.0は、2011年ドイツ発で、センサー、ソフトウェア、ソリューションサービスの3Sを使った、IoT(もののインターネット)、IoS(サービスのインターネット)による生産工程の自動化である。ドイツは、官民(官:ドイツ技術科学アカデミー、民の代表:SAP(基幹業務用ソフト)、シーメンス(重機、重電)、ボッシュ(自動車部品))で、進めている。そのねらいは製造コストの大幅削減である。そして、従来の大量生産から顧客の要望に応じた個別大量生産をめざし、顧客から工場まで、製造業全体の革新を進めている。

そのための武器となるのが、IoTと3Dプリンターである。IoTは、パソコンやスマホだけでなく、車や家電、産業用機器等のものをネットで接続するもので、新製品やサービスの開発に大量のデータを分析・活用して、例えば、車を自動運転車へと革新していく。ソフトがものづくりの頭脳となって、ハードを支配していくのである。3Dプリンターは、3次元CADと結合して、樹脂、金属を積み重ねて形をつくる装置である。これによって、金型、熟練技術も必要なく、製品を安く生産することができる。GEでは、航空機エンジン部品の量産にも活用を始めている。そして、3Dプリンターは、消費者の嗜好(Preference)、性能(Performance)、個別化(Personalization)に応え、従来のものづくりを変えると言われている。例えば、ダイハツの軽スポーツ車「コペン」は、一人ひとりの嗜好に合わせて車を提供できるという。

インダストリー4.0の動きは、ドイツに一日の長があるように見えるが、アメリカではGEが製造業へのシフトを進めており、エンジン、タービン等にセンサーを組み込み、監視データを故障予防、稼動率向上につなげるIoTの活用を進め、さらには、商品開発のスピードアップを図るファストワークスのしくみをつくり、組織文化を変えている。また、IoTのためのソフトウェアでは、クアルコムを中心とする機器通信の標準化団体、インテル主導の団体、ビッグデータの収集に強いアマゾンと、各社が、競争と協調で競っている。

日本はドイツと同じものづくり国家であるが、この産業革命の実態を認識し、将来への布石を打っているだろうか。ドイツが官民を挙げてやっているように、日本もかっての日本株式会社を復活させ、国を挙げてものづくりのデジタル化競争力強化に取り組まないと、ドイツ、アメリカに遅れをとってしまう。